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都会ではあまり見かけなくなりましたが、カタツムリには右巻きと左巻きのものがあり、右巻きのものが圧倒的に多いそうです。東南アジアには、カタツムリだけを食べるセダカヘビ類の仲間がおり、あごでカタツムリの殻を砕くことができないため、肉を殻から引き抜いて食べています。
八重山諸島にすむイワサキセダカヘビの場合、這っているカタツムリに背後から近づいて、頭を左に傾け、尾の根元にかみつきます。カタツムリはかみつかれたまま殻の中に引っ込みますが、ヘビは殻の中に引き込ませた下顎を左右交互に動かすことで、殻の中身を引き出して食べてしまうのだそうです。
殻が右巻きのカタツムリを食べるイワサキセダカヘビ 歯の数の多い右下のあごを主に使って、カタツムリを殻から引っ張り出す。
京都大と信州大の研究チームが、この仲間のヘビ14種の標本で下あごの歯の平均本数を調べたところ、 八重山諸島にすむイワサキセダカヘビで右約25本に対して左約18本だったのをはじめ、12種で右側の歯が多いことが分かりました。残る2種は左右でほぼ変わらず、殻が退化したナメクジを餌にしていました。
さらに、イワサキセダカヘビ4匹に、右巻きと左巻きの両方がいるカタツムリを計100回以上与えて、捕食する様子を観察したところ、右巻きが相手ならヘビはうまく下あごを使って殻から肉を引きずり出して食べるが、左巻きを食べようとすると、かみつく際に頭を左に傾けるという行動をカタツムリの巻き方向に合わせて変えることができないために、殻から引っ張り出すのに手間取ったり、食べるのに失敗することが分かりました。
これらの事柄から、セダカヘビ類が右巻きのカタツムリを効率的に捕食するために、左右の歯の数や捕食行動を「右利き」に適応進化させたと結論づけられました。
一方で、東南アジアには他の地域と比べると、カタツムリに左巻きの種が多く見つかるそうです。このことは、ヘビが“右利き”に進化したため左巻きが有利になり、その結果、カタツムリの左巻きへの 進化が促進されたことを示唆しています。
動物の進化には、このような相関関係があることがよくわかりますね。 |