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吹歯公園アーカイブス(過去のコラム)
 
2008年8月
☆歯の中に受信機?!

“インプラント”という物を知っていますか?

インプラントとは人工器官の総称で、歯科の世界では『人工歯根』などで皆さんに良く知れ渡っており、『入れ歯』や『ブリッジ』と違い、顎の骨に直接植えつけ、より良く噛めるもというものです。普通の人ならそれで充分満足するのですが…世界にはいろんな人がいるものです。


イギリスのとある研究者がこの『インプラント』に受信機を入れて、『噛める』だけでなく『通信』にも使おうと考えた人もいるのです。(MITメディアラボ・ヨーロッパの研究より)

人間の体は電気を通しますので体がアンテナになり、音は受信機自体が振動し、その振動が顎の骨を通して耳の奥(内耳)まで伝わり音が聞こえるそうです。(骨伝導)


今は既に実用化に向けてという段階まで進んでいるということですが、その気になる実用方法は「サッカーなどのフィールド競技での指示」「携帯プレーヤーのヘッドホン」また、他の人に迷惑をかけない「目覚まし時計?」などさまざまです。ほかに「授業中に好きな音楽をこっそり聴いたり」「仕事中に株式情報を聞いたり」「怒られている時に落語を聞いて気を紛わしたり」といろんな場面で重宝しそうですね。

ただ、これは信号を『受信』するだけで『送信』までは出来ないそうです。

しかしながら外側から見えない『歯』の中までそんな利用の仕方をするとは、さすが『ジェームス・ボンド』を生んだイギリスならではですね。

2008年3月
☆『歯のX線写真を利用した遺体の身元確認システム』、神奈川歯科大が開発!

災害時のご遺体の身元確認が、大幅に短縮されるシステムが開発されました。

神奈川歯科大学の研究チームが、災害犠牲者の歯のX線写真による身元確認作業の時間を大幅に短縮するシステムを開発しました。研究チームによると、新たに開発したコンピューターシステムにより、自動的に犠牲者の歯型を読み取り、不特定多数の歯科記録と照合、4秒以内に身元確認が可能になります。今現在は、地震や航空機事故などで多数の犠牲者が出た場合、専門家が遺体の歯型を歯科医師から提供されたレントゲン写真や歯牙所見と比較して、身元確認を行っています。この方法では数週間の時間を要する上に、完全に信頼できるわけではありません。今回開発されたシステムを使用すれば、信頼度を上げ時間の短縮にも繋がることが期待されています。

(平成19年11月28日 AFP通信より)

歯は人体中、最も硬く熱に強い組織であるため、白骨状態や焼死体の場合でも歯の保存状態は良好です。また、日本ではほとんどの人が歯科治療を受け、カルテやX線フィルムが歯科医院に保管されていることが多いと言えます。歯の形や治療痕の状態は、指紋のように2人と同じ人はいないため、遺体の歯の状態と照合することにより身元が確認できるのです。

過去、昭和60年8月12日、日航機が群馬県御巣鷹山に墜落炎上し520名が亡くなる大惨事が発生しました。その際、ご遺体の身元確認作業は非常に困難でした。そんな中、約45%に相当する233名のご遺体の身元が歯科の資料から確認され、結果として法医歯科学の重要性が社会に認められることになりました。

今後このようなシステムの導入により、膨大な時間を要していた身元確認作業が短縮され、正確さも増していくのではないでしょうか。

2007年12月
☆『口をのぞけば家庭がみえる』

11月は「児童虐待防止推進月間」でしたが、以前朝日新聞の天声人語に次のような文章が掲載されました。

「口をのぞけば家庭がみえる」。小児歯科にかかわる人の間で、そんなことが言われている。治療をしないまま、たくさんのムシ歯が長く放置されている。口の中が不潔で歯垢(しこう)がべったり張りついている。こんな時、保護者に子育ての様子をたずねてみることも提唱されている
▼3年前、暴力や育児放棄などから保護された子どもを東京都と都歯科医師会が調べたところ、ムシ歯や未治療の歯が目立った。「歯科の現場で児童虐待のサインを見つけられるかもしれない」と、各地の歯科医師会では、異変を発見したら連絡するよう会員に呼びかけるところも出始めた
▼「でも、もう一押しが足りません」と千葉県歯科医師会長の岸田隆さんは言う。昨年から注意を促しているが、報告はまだ一件もない
▼「そもそも、進んで治療に来る子の家庭に問題がある可能性は低い」と岸田さんはみる。発見の一つの鍵は乳幼児に一斉に行う歯科検診だが、十数%は会場に来ない。色々な事情が考えられるが「やはり、その十数%に問題が潜んでいるのではないか」
▼未受診の子を訪ね歩き、歯を診て、保護者とも言葉を交わしてみてはどうか、と岸田さんは提案する。子どもたちを救う大きな手だてになるのではないかと、目下、県に予算を組んでくれるよう求めているところだ
▼昨年度の児童相談所への虐待相談は全国で約3万3千件。十数年で30倍に増えた。心を凍らせた子どもは、まだたくさんいる。「無関心ではいられない」。岸田さんの言葉は、大人一人ひとりに投げかけられている。
(2005年9月28日掲載)

保護者の皆さんが、子どもの歯の仕上げ磨きをしたり、子どもに歯みがきの習慣を身に付けさせるのは大変根気のいる作業です。「口をのぞけば家庭がみえる」と、ひとことで済ませるのは簡単ですが、そこには各家庭でのいろいろな状況があり、それを正確に知るのは容易なことではありません。しかし確かに、ひどいむし歯になっても歯医者さんに連れて行ってもらえなかったり、べったりと汚れが付いたままになっていたり、歯磨きの習慣ができていなかったりということが児童虐待のサインである可能性はあるでしょう。

吹田市では1歳半・2歳半・3歳半歯科健診、就学時健診、6歳臼歯健診、学校健診を行っています。この健診時に、担当歯科医師は放置された多数のむし歯がないか、極端にお口の中が汚れていないかなど、児童虐待の可能性にも注意して健診を行っています。このように児童虐待の早期発見のためには、いろいろな分野での連携が必要とされています。

2007年9月
☆オーケストラも「歯が命」
   歯の状態で音色も変わる−大阪センチュリー交響楽団員が語る歯の健康−


 ひところ、「芸能人は歯が命」というCMが話題を集めましたが、実は音楽家も「歯が命」。普段から歯の健康には気を付けている人が多いそうです。歯と音楽のかかわりについて大阪センチュリー交響楽団のメンバーにお聞きしました。

★合同練習前は歯みがきタイム

1989年に発足した大阪センチュリー交響楽団の楽団員は、年間公演数約90回というハードスケジュールをこなすそうです。音楽家も体カ勝負なので日々の健康管理に気を配る一方「歯の健康」についても同様に大事に考えている楽団員も多いとのこと。「練習が始まる午後1時前になると、うがいや歯みがきをする人が増えます。あちらこちらで、歯ブラシを動かしている団員をよく見かけますよ」と事務局長さん。「演奏前にはしっかり歯みがき」が楽団員の中で浸透しているようです。

★歯を抜くと音色が変わる管楽器

 オーボエ奏者のMさんの場合は深刻な状態に陥ったことがあります。13年前、前歯がむし歯になり、それが原因で口元が腫れて、楽器を吹くことができなくなったのです。「仕事ができないということですから、そのときは本当に大変でした。もともとむし歯ができやすい体質のようで、それからは1日に数回磨いています。子どもたちにも『むし歯ができないようにちゃんと磨きなさい』と声をかけています。」とのことです。

★あごで楽器を支えるバイオリニストにも影響

 バイオリニストのSさんは、歯みがきグッズを「インターネットでプロ用を買う」という凝りよう。一見関係がなさそうな弦楽器でも、バイオリンはあごと肩で楽器を支えるので、口の中の状態が演奏に影響します。
「バイオリニストは右と左では形が変わるほど、あごに力を入れでいます。以前、歯を抜いたことがあるのですが、あごの感覚が今までと違ってびっくりしました。調子を取り戻すまで、ある程度の時間が必要でした。」今は5種類の歯みがきグッズを携帯し、演奏旅行でも必ず持っていくそうです。

「歯の状態で音色も変わる」楽団員の方は、歯にとても気を使っておられるようですね。みなさんも歯を大切にする習慣を持って下さいね。

(大阪府歯科医師会 歯の新聞より)

2007年7月
☆歯周病治療で血糖値にも影響!!

歯周病は、歯の周囲の歯ぐきなどに細菌が感染して起こる感染症ですが、最近になって、口の病気としてだけではなく、糖尿病や肥満、脳血管疾患など、さまざまな全身性の病気と密接な関係にあることが明らかになってきました。

海外の調査では、糖尿病患者の歯周病の発症頻度は、そうでない人の約2倍といわれています。糖尿病が歯周病に影響を与える仕組みについては、複数の説があります。例えば、高血糖状態が続くことで口の中が乾燥しやすくなり、歯周病の原因菌が繁殖しやすくなるという説や、高血糖状態によって全身の免疫機能が低下し、さまざまな感染症が起こりやすくなるためとする説などです。

一方、歯周病を治療することで血糖値が改善したという研究結果も報告されています。これは、岡山大を中心に、歯周病を合併した糖尿病患者13人を対象に行われた研究です。歯周病の治療は、「歯周ポケット」と呼ばれる歯と歯ぐきの間の溝に、歯科用抗菌薬のミノサイクリン(商品名:ペリオクリン)という軟膏を週に1回局所投与する方法で行われました。
その結果、血糖値のコントロール状態を示す幾つかの血液検査の数値が、すべて改善したということです。

歯周病の人では、歯ぐきで炎症を起こしている部分が、糖尿病を悪化させる“おおもと”になっているといわれています。ここから、歯周病の原因菌が作り出す毒素や、炎症反応によって生じたさまざまな物質が血液中に入り込み、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうということです。

つまり歯周病と糖尿病は、相互に影響を及ぼしあっているということが明らかになってきました。

健康診断で「血糖値が高い」などと指摘されたり、病院を受診して「糖尿病の可能性がある」などと言われた場合には、血糖値だけに気を配るのではなく、定期的な歯のケアも忘れないようにしたいものです。特に、歯ぐきからの出血や腫れを自覚したら要注意です。できるだけ早く、歯科を受診された方がよいでしょう。

2007年5月
☆『カタツムリとヘビの歯』

都会ではあまり見かけなくなりましたが、カタツムリには右巻きと左巻きのものがあり、右巻きのものが圧倒的に多いそうです。東南アジアには、カタツムリだけを食べるセダカヘビ類の仲間がおり、あごでカタツムリの殻を砕くことができないため、肉を殻から引き抜いて食べています。

八重山諸島にすむイワサキセダカヘビの場合、這っているカタツムリに背後から近づいて、頭を左に傾け、尾の根元にかみつきます。カタツムリはかみつかれたまま殻の中に引っ込みますが、ヘビは殻の中に引き込ませた下顎を左右交互に動かすことで、殻の中身を引き出して食べてしまうのだそうです。

殻が右巻きのカタツムリを食べるイワサキセダカヘビ
歯の数の多い右下のあごを主に使って、カタツムリを殻から引っ張り出す。

京都大と信州大の研究チームが、この仲間のヘビ14種の標本で下あごの歯の平均本数を調べたところ、 八重山諸島にすむイワサキセダカヘビで右約25本に対して左約18本だったのをはじめ、12種で右側の歯が多いことが分かりました。残る2種は左右でほぼ変わらず、殻が退化したナメクジを餌にしていました。

さらに、イワサキセダカヘビ4匹に、右巻きと左巻きの両方がいるカタツムリを計100回以上与えて、捕食する様子を観察したところ、右巻きが相手ならヘビはうまく下あごを使って殻から肉を引きずり出して食べるが、左巻きを食べようとすると、かみつく際に頭を左に傾けるという行動をカタツムリの巻き方向に合わせて変えることができないために、殻から引っ張り出すのに手間取ったり、食べるのに失敗することが分かりました。

これらの事柄から、セダカヘビ類が右巻きのカタツムリを効率的に捕食するために、左右の歯の数や捕食行動を「右利き」に適応進化させたと結論づけられました。

一方で、東南アジアには他の地域と比べると、カタツムリに左巻きの種が多く見つかるそうです。このことは、ヘビが“右利き”に進化したため左巻きが有利になり、その結果、カタツムリの左巻きへの 進化が促進されたことを示唆しています。

動物の進化には、このような相関関係があることがよくわかりますね。

2007年1月
☆『早食い』は肥満の素?

昔から一般的に「早食いは太る」と言われますが、それは本当のようです。「肥満と食習慣との関連性」について(財)ライオン歯科衛生研究所と東京歯科大学社会歯科学研究室の石井拓男教授との共同研究が行われ、その結果が発表されています。

それによると

  • サラリーマンにおいて「早食い」と「肥満」は高い相関がある。
  • 「よく噛む」ことは、「インスリン」の分泌量を抑え、少量の食事で満足感を得ることできる。
  • 「早食い」の人は、「子どもの頃からの習慣なので改善しにくい」と考えている。
などが明らかにされています。

また、小学生の「肥満」と「早食い」などの生活習慣との関連性についても、最近、調査が行われました。
まず、食生活に関するアンケート結果と「肥満」との関係では「食べる早さ」と「肥満」との間に強い関連性が認められ、サラリーマンにおける研究結果と同じ結果が示されました。

一方で、今回の調査では一般的に肥満との関係が指摘されている「おやつの回数」や「夜食」の有無との関連性は認められなかったようです。

肥満に関する指標は、学童の肥満度の指標としてよく使われるローレル指数:【(体重(kg)/身長(cm)3×107】を用いています。

発表された結果をまとめてみると、
  • 「早食い」の子どもほど、肥満度(ローレル指数)が高い。
  • 「一口の量が多い」子どもほど、肥満度(ローレル指数)が高い。
  • 「おやつの回数」や「夜食」と、肥満度(ローレル指数)には有意な関連性は認められない。

やはり、「よく噛んで、ゆっくり食べる」ことを幼い頃から習慣付けることが、将来の肥満防止に繋がり、ひいては健康を維持する「基本的な生活習慣」のひとつとなるようですね。

2006年10月
☆“8020運動”と医療費の関係

“8020”は「ハチ・マル・ニイ・マル」と読み、“8020運動”とは「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動のことです。『80歳になっても20本以上自分の歯が残っていれば、食事も楽しく、より健康で過ごすことができますよ。』ということで、日本歯科医師会と厚生労働省が推奨している運動です。

では、実際に80歳を越えて20本以上自分の歯が残っている方は、そうでない方に比べてより健康なのでしょうか?それについて、たいへん興味深い調査結果がありますのでご紹介しましょう。
(1)兵庫県歯科医師会の調査
兵庫県歯科医師会の調査では、「8020」を達成している人(80歳で20本以上の自分の歯を持つ人)と、達成していない人(19本以下の歯しか持っていない人)との間で、病院や診療所への通院回数、支払った医療費、その他がどれ程違うかについて、第1回(2001年5月)と第2回(2002年5月)の2回の調査を行っています。

◎第1回(2001年5月)の調査結果
・8020達成者の方が、通院日数は少なかった。
・8020達成者の方が、医療費は21%近く少なかった。

◎第2回(2002年5月)の調査結果
※残っている歯の数の「多い人」と「少ない人」に分けて比較した結果
・残っている歯の多い人は、少ない人より入院日数が26%近く短かった。
・残っている歯の多い人は、少ない人より医療費が14%近く少なかった。
2)福島県歯科医師会の調査
◎8020達成者と非達成者の年間総医療費の比較

        非達成者        614,376円
        8020達成者      475,380円
                   差 が 約 14万円 / 年間
(3)熊本県阿蘇郡の資料より
下記のグラフは、平成9年度の阿蘇郡の資料(阿蘇郡地域歯科保健連絡協議会調査)です。80歳以上の「8020達成者」群と「8020非達成者」群とで、年間の医療費の平均を調査したところ、「8020達成者」群の方が医療費が低く抑えられていることがわかると思います。



このような調査結果からも、“歯とお口の健康”が高齢者の全身の健康にも大きな関連があることがお分かりいただけるでしょう。
2006年7月
☆『キシリトール』ってご存知ですか?

◎キシリトールとは、白樺や樫などの樹木から採れる成分を原料にした天然素材の甘味料で、多くの果物や野菜にも含まれています。たとえばいちご100gの中には362mg、ほうれん草100g中には107mgのキシリトールが含まれています。
◎キシリトールはスッとした爽やかな冷涼感のある甘みがあり、甘さは砂糖と同じくら  
いで、カロリーは砂糖の75%です。
◎キシリトールを摂ると、どうして「むし歯予防」になるの?
◎キシリトールは何から摂ればいいの?
長時間、口の中に留めておける方が効果が高くなりますし、唾液をより多く分泌させるためにもキシリトール入りのガムを噛むのが一般的です。他に、タブレット等もあります。

※ここに注目!!
市販のキシリトール製品には甘味料にキシリトール以外の糖分も含まれているものがあります。甘味料にキシリトールが50%以上(できれば100%)使用されているものを選びましょう。
どんなふうに食べたらいいの?
1.食べる回数は?
むし歯予防のためには、一日3回、1粒を毎食後に噛むと効果的です。むし歯になりやすい方や積極的にむし歯予防をしたい方は、1日5回、毎食後と間食後、おやすみ前に1粒を噛むことをおすすめします。一度にたくさん摂るより、一日に何度かに分けて摂りましょう。
2.噛む時間は?
キシリトールの成分はおよそ数分で流出しますが、よく噛んで、唾液をたくさん出すことも、むし歯予防に大切なこと。ガムを噛む場合は、味がなくなってもそのまま5分〜10分噛むことをおすすめします。
3.摂る期間は?
キシリトールを食べると、2週間で歯垢が減りはじめ、3ヶ月ほど経つとむし歯になりにくくなるといわれています。でも、やめるとしばらくして再びむし歯菌が増え始め、むし歯になる危険性も高くなります。むし歯予防のためには、まずは毎日、続けて摂りましょう。
◎キシリトールガムを噛んでいればむし歯にならないの?
むし歯になる可能性はあります。キシリトールにはむし歯の抑制効果があることが認められていますが、むし歯予防に一番大切で効果があるのは、歯ブラシによる丁寧なブラッシングであることをお忘れなく。

キシリトール使用は、むし歯予防の効果を高める追加型のむし歯予防法であると理解してください。
2006年5月
☆『歯の銀行』ってナ〜ニ!?

 『歯の銀行』とは、何らかの理由で抜かれる健康な歯を自分のために冷凍保存しておき、将来、むし歯や事故などで歯を失うことになったときに、保存しておいた「自分の歯」を解凍して再利用しようというシステムです。
まるでSF小説の中のお話のようですが、現実のものとなりつつあります。

『歯の銀行』による歯の再利用の仕組みは次の通りです。
 まず、親知らずや矯正治療で抜いた歯を『歯の銀行』に預けると、磁場を使ったプログラムフリーザーで歯を凍結、次いでマイナス150度で長期にわたって保存されます。預けられた歯は将来、むし歯などで歯を失ってしまったときに解凍され、抜けた部分に移植できます。
 ただし、預けることが可能なのは、移植による生着が可能な健康な歯に限られ、したがって、上下の親知らずや、歯列矯正のために抜歯される上下の小臼歯が保存の対象となります。
 このような「歯の再利用」を可能にしたのは「歯周組織の再生技術」と「組織を壊さない冷凍・解凍技術」です。
 今までは抜歯の際に損傷した「歯根膜(歯の根と骨の間にあってクッションのような役割をする重要な組織)」をそのまま移植するとうまく生着しない場合がありました。しかし抜歯によって歯根膜の傷ついた歯にコラーゲンの一種を塗布し、特殊な培養液で2〜3週間培養することによって歯根膜の再生に成功したとのことです。
 次の難関は冷凍技術です。通常の冷凍方法では組織内の水分が凍結、融解する過程で細胞を破壊してしまう恐れがあります。そこで弱い磁場を加えながら数日間かけて温度を下げ、最終的には摂氏マイナス152度で保存するというシステムが開発されました。
 現在の課題は「歯の搬送」にあります。抜いた歯を培養処理するまでに時間がかかりすぎると歯根膜細胞が死んでしまったり、修復できないほど損傷が広がってしまう恐れがあります。また将来、解凍して本人のあごの骨にもどすときにも遠方までの搬送が問題となります。
 しかし、「歯根膜には、歯を介して噛む刺激を脳へ伝えるセンサーのはたらきをする細胞があることがわかっており、心身の健康のためにも人工的な歯より自分の歯を活用するのが理想的である。」と、さらに研究が進められています。
 こうして「自分の歯を預けておいて再利用する」という夢が実現しようとしています。(実はこのシステム、2004年4月1日に、世界でも初めて広島大学で事業化されています。)
2006年4月
☆花粉が舞うと、『歯周病』になる!?

「風が吹くと桶屋が儲かる」ということわざがあります。
風が吹くと埃が舞って人の目に入り、目が悪くなり・・・紆余曲折を経て最終的に桶屋が儲かるというものです。
それでは皆さんは「花粉が舞うと、歯周病になる」というのはご存知でしたか?
 花粉が舞って花粉症になると鼻が詰まる。そうすると口で呼吸をすることが多くなるため、口の中が乾燥してきます。通常より水分(唾液)が少なく細菌が繁殖しやすい湿度となった口の中は、歯のまわりに歯垢がついて、最終的に歯周病になる恐れがあるということです。
 歯周病は放っておくと、命をも脅かす恐ろしい病気に発展する可能性もあります。歯周病菌は口の中だけでなく血管の中にも入って行きます。歯周病菌が血管に入ることで、インスリンの働きを阻む物質が増えて糖尿病にかかりやすいといわれているのです。また血栓を作りやすくし、心筋梗塞などにかかる可能性もあり、「歯周病は全身の病気と深くかかわっている」という考えが、医師の間にも広まりつつあります。
 そんな恐ろしい病気になる可能性のある歯周病に、成人の約80%以上がかかっているといわれています。歯周病を予防するには、当然の事ながら歯をこまめにきちんと磨くことと、水分を多く摂ったり唾液が常に出ている状態を作ることが重要です。
その他に、歯周病予防に強力な味方となる食べ物もあります。フラボノイドが含まれるお茶は有名ですが、わさびや大豆製品が効果的なのは、あまり知られていません。わさびには強力な殺菌効果があり、大豆には歯に良い『グリシン』という物質が含まれています。また、ヨーグルトも歯に良い食品のひとつとされています。腸の働きを良くする代表選手であるヨーグルトが、歯周病にどのように働くのかピンと来ない方もいらっしゃることでしょう。ここで再び“桶屋の法則”。腸の善玉菌が増えると免疫力が向上し、口の中の悪玉菌である歯周病菌の繁殖を抑えることができるのです。その一方で、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、酸を作りエナメル質を溶かすのでノンシュガーでも食べた後に歯を磨かないでいると危険です。要するに、体に良い食品はきちんと食べて、食後の歯と歯ぐきのケアは忘れない、それが大切なのです。

 これからは、「花粉が舞うと、歯周病になる」、「歯周病は万病のもと」という新たなことわざを覚えるとともに、今まで以上にお口のケアを心がけましょう。

(参考―日歯広報より)

 

2006年2月
☆風邪をひかないビタミンは?

★『ビタミンCを大量にとれば風邪をひかない』
ビタミンCが酸化する過程でできる物質が風邪ウィルスの核酸を破壊し、風邪ウィルスを退治します。また、ビタミンCを大量にとると、ウィルスなどの外敵をやっつけるインターフェロンという物質がふえます。インターフェロンはNK細胞(ナチュラルキラー)細胞と呼ばれる免疫細胞によって作られ、ビタミンCはそのNK細胞を増やす働きがあります。
そのために必要なビタミンCの量は1日に1〜2gといわれています。成人の1日必要量は100mgですから、しっかりビタミンCをとりましょう。
ビタミンCを多く含む食品は パセリ、ブロッコリー、ピーマン、小松菜、キウィフルーツ、いちご、みかん等です。食事だけではなかなか1〜2gもとれないので、上手に栄養補給食品を使いましょう
★風邪予防にはビタミンAも効果があります
ビタミンAは、風邪ウィルスの浸入口である鼻やのどの粘膜を丈夫にする働きがあります。多く含む食品はモロヘイヤ、ほうれん草、にんじん、春菊、小松菜、レバー、うなぎです。ビタミンAもしっかりとって風邪を予防しましょう。
★風邪にすぐ効くビタミンは?
体内に侵入した風邪ウィルスと戦うのがNKという免疫細胞が作り出すインターフェロン。そしてNK細胞を増やす働きがあるのがビタミンC。つまりインターフェロンの生産を促進するビタミンCは、風邪の予防に役立つだけでなく、治療にも効果を発揮します。
風邪は予防が大切ですが、もしひいてしまったら、早めに治すのが大切。『風邪をひいたら何よりも休養が第一』といわれます。しっかりビタミンCなどの栄養をとって、早めに寝てください。
また、風邪で弱った体力を補う意味から、ビタミンB群も摂って下さい。ビタミンB群は玄米、胚芽米、全粒パン、黒パンに多く含まれています。
★風邪予防の基本は
うがい、しっかり野菜を食べる(ビタミンCやAを摂る)、十分な睡眠を確保する。昔からいわれていることですが、大切なことですね。

今年の冬は風邪しらずでいきましょう!

2005年11月
☆ナポレオンの歯が270万円!?

ナポレオン・ボナパルト ナポレオン・ボナパルト(1769年−1821年)のものとされる歯が11月10日、英ウィルトシャー州スウィンドンで競売にかけられ、22,600ドル(日本円:約270万円)で落札されたそうです。

競売に掛けられたのは上あご右側の犬歯で、1815年にワーテルローの戦いで連合軍に敗れた後、セントヘレナ島に流刑となったナポレオンの医師バリー・オマーラ先生が、1817年にナポレオンの口から抜き取ったものとされています。ナポレオンはこの歯が抜き取られた4年後、1821年に死亡しています。
ナポレオンの歯 歯を所有していたオマーラ先生は、その歯をナポレオンの一番下の妹キャロラインと結婚していたナポリの国王の側近マケローニ将軍に渡し、最後の所有者は1956年にマケローニ将軍のひ孫から譲り受けたということです。

ナポレオンの歯
鑑定士のクリス・オルベリー氏は、「ナポレオンが1816年当時、歯痛に悩まされていて、それが壊血病と診断された口内炎のせいだったことは歴史的に知られている」と指摘しており、 1821年の死去までにナポレオンの肉体はボロボロとなって、歯ぐきは柔らかく、出血しやすく、歯は抜けやすくなっていたと云われています。

さすがのナポレオンも歯痛に耐えるのは不可能だったようですね!
2005年9月
☆顔のシミを防ぐビタミンは?

日焼け予防 チャントしましたか〜!

ビタミンCはシミの予防に効果的!
なぜシミができるか考えて見ましょう。強い日光を受けると日焼けするのは、皮膚の中のメラノーゲンという無色の物質が褐色のメラニンに変わるからです。そして皮膚の深い部分の真皮にメラニンが散らばって、シミやソバカスができるのです。
ビタミンCはメラノーゲンがメラニンになる反応を抑制し、シミができるのを防ぎます。シミ予防には1日2000mgのビタミンCをとるといいそうですよ。
多く含む食品は パセリ、ブロッコリー、ピーマン、小松菜、キウィフルール、いちご、みかん等です。食事だけではなかなか2000mgもとれないので、上手に栄養補給食品を使いましょうね。

出来てしまったシミにはビタミンEが有効!
ビタミンEは、毛細血管を広げる作用があるので、真皮の毛細血管も拡張させて血流をよくすると考えられています。シミが増えて悩んでいる人はビタミンEをしっかりとってくださいね。
ビタミンEを多く含む食品は ピーナッツ、アーモンド、緑黄色野菜、穀物です。
若返りのビタミンと言われています。

歯ぐきの出血が治るビタミンはビタミンCがいいですよ!
歯を磨いたり、リンゴをかじったときに歯ぐきから血が出るのは、ビタミンC欠乏症の壊血病の前兆です。壊血病になると歯ぐきから血が出るだけでなく、ぶつけた覚えもないのに体のあちこちにアザができたりします。壊血病がビタミンCの欠乏が原因であることが解明されているため、この病気で苦しむ人はほとんど見られなくなりました。しかし皆無ではありません。たとえばビタミン先進国の欧米では、「独身者壊血病」という病名があります。都会の独り住まいで外食が多く、つい偏った食生活になりビタミンC不足になって歯ぐきから出血してしまう−こうした男性を皮肉った呼び名で、本当に発病者がたくさんいるわけではありません。日本には軽いビタミン欠乏状態の人が多いです。
2005年08月
スペースシャトル
☆宇宙でむし歯が痛んだら!?

スペースシャトル「ディスカバリー号」に乗り込んだ日本人宇宙飛行士、野口聡一さんが宇宙で大活躍してくれましたね。日本人としてたいへんうれしいニュースでした。

ところで、宇宙に行くには健康な体だけではなく、健康な歯でなければならないことをみなさんはご存知ですか? 宇宙飛行士の選定基準のひとつに「むし歯のないこと」が挙げられているのです。

健康な歯を持っていても宇宙空間はむし歯になりやすい所のようです。原因として考えられるのは、一つ目として宇宙食がやわらかく歯に付きやすいこと、二つ目は無重力で唾液が浮いてしまい、たまった感覚がなく無意識に飲み込まないので、むし歯菌が洗い流されないからです。

では宇宙で突然、歯が痛くなったらどうするのでしょう?

土星 宇宙では気圧の関係で地上にいるより歯が痛くなりやすく、もちろんすぐに歯医者さんに駆け込むこともできません。少しの痛みであれば痛み止めを飲むようですが、どうしても我慢できない痛みの場合、なんと他の宇宙飛行士が歯を抜くのだそうです。宇宙飛行士の訓練の中には、歯を抜くための訓練もあります。

仲間に歯を抜かれたくないからかどうかはわかりませんが、宇宙飛行士は宇宙空間でもむし歯にならないように歯のケアを行っています。宇宙では歯ブラシを動かすと体がグルグルと回ってしまうため、体を固定させて歯ブラシを小さく動かすよう工夫をしながらみがくのがコツだとか。

21世紀、宇宙への旅がいよいよ現実のものとなりつつあります。もしかすると将来宇宙旅行にいくかもしれない・・・。そんな時、むし歯で仲間の荒療治を受けないためにも、いつも健康な歯でいられるように、歯とお口のケアを心がけましょうね

参考資料「ようこそ!歯のふしぎ博物館へ」 岡崎好秀 著

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