平成19年度 第2回吹歯学術研修会 聴講報告

―大阪府歯科医師会夜間緊急診療への出務経験より―
平成19年6月5日(火)
講師に、大阪大学歯学部付属病院顎口腔病態検査治療学教室准教授の中原 寛和先生をお招きし、「歯科における緊急診療―大阪府歯科医師会夜間緊急診療への出務経験より―」と題してご講演いただきました。平成16年6月から大阪府歯科医師会により、夜間緊急歯科診療が実施しておりますが、約3年で17,000人を超える患者さんが受診されました。
3年間の症例数の内訳
歯髄炎・歯根膜炎・・・約10,000人 膿瘍・・・・約4,000人
外傷・・・・約1,500人 後出血・・約1,000人
外科的治療の実際について
1、重症例―後送への診断
- 2歳男児:おはしを右側軟口蓋部に穿刺(創は直径約4o、約38o刺入)。口腔内創は経過観察とし、頭蓋底部での出血の有無を精査するため救命救急センターへ後送、頭部CTにて頭蓋底に血腫存在のため、入院。
- 後送となったその他の症例:
埋伏抜歯後の感染疑いによる受診、スケーリング後の自然出血
交通事故による下顎骨骨折など。
- 重症例の診断:視診、問診、X−p撮影(パノラマ、CT)、血液検査(白血球数、白血球分画、CRP値:TOYOBOニコカードリーダーUなど)。対応可能かどうかの判断(可能なら臨床検査)を行い、後送医療機関を確保し、後送を躊躇しない事が非常に重要である。
2、処置症例
事故や転倒による脱臼・歯牙破折症例では、暫間固定、場合によっては麻抜、破折歯牙の接着、裂傷部縫合術を行い、近隣の歯科医院に紹介している。抜歯後出血85症例のうち、智歯症例が24症例、智歯以外が61症例となっています。術後出血患者来院時のプロトコールとして
- 問診にて出血性素因の有無のチェック
- 血圧測定、必要なら降圧剤投与(ミオコールスプレー)
- 浸麻(キシロカインE)
- 圧迫止血
- サージセル充填
- 縫合
抜歯後出血患者を出さない為には、十分な問診、止血の確認(診療時間終了間際の外科的処置は避ける。) 裂傷、擦過傷については、創面を閉鎖するハイドロコロイドドレッシングが有効である。
夜間診療担当医の歯髄炎、歯根膜炎症例における悩みとして、「抜髄はどこまで処置すべきか?」「歯根膜炎ではFCK、コア除去し、根管開放まですべきか?」などがあります。
夜間診療担当医からのお願いです。
患者さんが夜間府歯からの手紙を持参されたら、緊急歯科診療後の経過などのお返事を夜間府歯宛にぜひ頂きたい、とのことである。
患者への緊急時の対応の指示
府歯夜間緊急診療06−6774−2600、
阪大歯学部附属病院06−6879−2848
(学術研修委員会
担当 田中 隆雄、糠谷 吉秀、松井 茂和、木ノ本 喜史、諏佐 伸彦、平良 淳、菱田 茂)